組電池の加工は三興工業へお任せください

組電池の製作(電池バック加工、バッテリーパック加工)は三興工業までお任せください。
大手電池メーカー様との取引実績・長年のお付き合いがあり、安心してご依頼いただけます。

各種サイズや配列、使用条件などに合わせた加工をいたしますので
お気軽にご相談ください。

多品種小ロット

多品種小ロットでの対応を主としております。
1パックの製作から承ります。

電池本数

MAX54セル対応いたします。
小型〜中型サイズまでお気軽にご相談ください。

一次・二次電池 両方対応可能

はんだづけにも対応し、静電気対策も施しているため一次・二次電池両方の加工に対応いたします。

電池への加工事例

SUS0.15mmの材料を電池へスポット溶接

 


(※画像はスポット溶接後の打点になります。)

▼ 溶接の様子

簡易リチウムイオン電池パックの製作

  • リード:0.15mm二ッケル板にAWG線を溶接(抵抗溶接)
  • リードと電池をスポット溶接にて接合

※軽量化、耐熱性、作業簡易化のため、リード線接合はハンダ(半田) より抵抗溶接作業を推薦します。

円筒型2次電池 接続部材の接合

  • ニッケルから、熱伝導率の良い銅合金へ変更

 

コイン電池と異種金属の溶接

  • ①Ni(ニッケル)、②ステンレス(SUS430)、③Fe-Ni(鉄ニッケル)をスポット溶接にて接合

 

組電池の加工について

組電池とは、複数の電池セル(単セル)を直列・並列に接続し、必要な電圧・容量・形状に加工した電源ユニットです。さらに温度検知素子、保護回路(BMS)、外装筐体、端子などを加え、ひとつのユニットとして仕上げられます。
電動工具、無人搬送車(AGV)、建設機械、携帯計測器、非常用電源など、多様な産業機器で使用されています。

使用される主なセルの種類と選定ポイント

組電池に使われる電池セルは、用途や優先条件に応じて下記から選ばれます。

◯ リチウムイオン電池(Li-ion)

高エネルギー密度が特長で、近年の主流。軽量・小型で継ぎ足し充電にも強い一方で、熱暴走リスクがあるためBMSによる制御が必須です。

◯ リン酸鉄リチウム電池(LiFePO₄)

安全性と長寿命が特長。発火リスクが極めて低く、近年は産業用蓄電や非常用電源に多く採用されています。ややエネルギー密度が低め。

◯ ニッケル水素電池(Ni-MH)

衝撃・過充電耐性に優れ、環境性も高い。長らく電動工具や医療機器で使用されてきました。低温特性やコスト面でも優れます。

組電池製作の主な工程

では、実際にどのようなプロセスを経て組電池は製造されるのか、汎用的なリチウムイオン組電池を例に、主な工程を紹介します。

※三興工業では「4.セル配置・スポット溶接」の工程から対応をいたします。

1. 要件ヒアリング・仕様策定

組電池の製作は、ユーザー(発注者)からの要求仕様をもとに始まります。必要な電圧・容量・出力電流・サイズ・使用温度範囲・寿命目標などを明確にし、それに応じた構成を検討します。
この段階で「セルの種類(Li-ion/Ni-MH/LiFePO₄など)」「充電・放電の条件」「使用頻度や充放電サイクル回数」も選定のポイントになります。

2. セル選定と構成計画

仕様が固まったら、使用するセルの種類と数を決めます。セルはメーカーによって電圧、容量、内部抵抗、サイズ、放電特性などが異なるため、性能とコストのバランスを考慮しながら選定されます。

構成は「直列何本(S)」「並列何本(P)」という形で整理され、例えば「5S2P」は3.6Vセルを5直列×2並列=18V・2倍容量のパック構成を意味します。

3. セル選別・マッチング

量産前に行われる重要な工程がセルの選別(グレーディング)です。電池セルは同一型番でも内部抵抗や容量に個体差があります。そのため、組電池に使うセルは、あらかじめ充放電試験を行って「容量」「電圧」「内部抵抗」などを測定し、できるだけ同じ特性を持つセル同士を組み合わせる必要があります。

この工程を「セルマッチング」と呼びます。これにより、セル間のバランスを保ち、過剰な電圧差や劣化のばらつきを防ぐことができます。

4. セル配置・スポット溶接

マッチングを終えたセルは、所定のレイアウトに配置されます。配置パターンは用途や筐体設計によって様々ですが、直列と並列が混在するため、正確な極性と配線計画が必要です。

セル同士の電気的接続は、主にニッケル板を使ったスポット溶接で行われます。専用の溶接機により、瞬間的に電流を流してニッケルタブをセル端子に固定します。
この工程は熟練の技術が求められる工程で、接触抵抗が大きすぎたり溶接が不十分だと、発熱や断線の原因になります。

5. 電気配線と保護部品の実装

セル同士の主接続が完了したら、次に保護用の電子部品(過電流ヒューズ、サーミスタ、電圧検出線など)を取り付けます。

配線は細いリード線を使って、それぞれのセルの+/−端子、センタータップなどに接続されます。これらは、後にBMSなどの制御基板に接続されることが多く、精密な配線作業が求められます。

6. 絶縁処理・初期検査

配線が終わると、ショートを防ぐための絶縁処理が施されます。絶縁シートやマイラーテープ、ポリイミドテープなどを使って、セルの金属部が他の部品に接触しないよう保護します。

その後、完成した組電池に対して「開放電圧測定」「絶縁抵抗試験」「外観チェック」など、初期の検査が行われます。ここで問題がなければ次の工程へと進みます。

7. 充放電検査・性能評価

完成したバッテリーパックは、専用の充放電装置に接続され、実際に充電・放電を行って性能が設計通りであるかを評価します。

・公称容量が確保されているか(例:2Ah以上出るか)

・電圧バランスに異常がないか(各セル間の電圧差)

・放電時の電流に対する内部抵抗が適正か

・過電流、過放電時の保護が正常に動作するか

これらの検査により、安全性・性能・信頼性の確認が行われます。

8. 熱収縮チューブやパッケージ加工

産業機器用の簡易パックでは、外装に熱収縮チューブを使ってコンパクトにまとめられるケースもあります。チューブは熱風で加熱してセル全体に密着させ、物理的な一体感を出します。

また、出力端子(リード線、コネクタ、スプリングなど)の取り付けもここで行われます。専用ケースが必要な場合は、筐体組み込みなどが別工程で対応されます。

9. 最終検査・出荷

完成した組電池は、出荷前にもう一度外観・電気特性・絶縁・安全性などの最終検査を受けます。必要に応じて、以下のような検査項目が行われます:

・開放電圧/内部抵抗測定
・充放電サイクル試験
・振動・落下などの耐久テスト(用途に応じて)
・表示ラベル・製造番号の確認
・認証規格(PSE、UN38.3など)の適合チェック

これらをクリアした製品のみが、梱包・ラベル表示の上、ユーザーに納品されます。