アルミと銅の抵抗溶接事例をご紹介します。
異材同士の溶接は難易度が高く、それぞれの素材の特徴や相性、接合方法などをよく検討する必要があります。
三興工業ではアルミ×銅をはじめとしたさまざまな異材同士の溶接を得意としております。

薄板

○ アルミ合金0.15㎜+純銅0.05㎜

純銅の融解温度が1085℃、アルミが660.3℃、合金された場合の融解温度は調査していませんが溶接時、金属が溶ける温度に差があり、その他、アルミ自体に独特の癖があるため、

この異種金属同士の接合は難しいとされています。
今回はアルミの方が他の金属が含まれる合金のため、接合自体は難しくありませんでした。


溶接後の打点

引張試験機で破断強度を確認。
数値は1.5㎏(14.7N)

破断確認後の状態
ナゲット痕2/2で接合成功。

○ 純銅(二重構造)0.2㎜+アルミ0.2㎜

特にアルミ1000番台同士の抵抗溶接は融解温度が約650℃と低く、粘り気がないため通電時、
溶けたときに散っていく感じがあり、強度が出ないのが特徴です。

溶接後の打点

引張試験結果:強度4.8㎏ 47N、破断2/2

○ アルミ1mm+銅1mm

アルミと銅はヒートバランスが悪く、溶融しても
脆い金属化合物を生成する可能性がある為、溶接の難しい組み合わせになります。

こちらは実験として、ダイレクト溶接で接合を行いました。

網(メッシュ)

○ 純アルミ0.2㎜+銅網0.25㎜

ダイレクト方式での抵抗溶接です。抵抗溶接時、アルミ独特の散りや電極棒への食らいつき等は発生しませんでした。ショット数も持ちそうです。

今回、純銅が網状なので、溶接時にアルミ側が溶けて純銅の網にくっいていることが確認できました。

溶接後

引張試験結果:強度19.6N、破断2/2

アルミと銅の溶接が難しい理由

①熱伝導率と融点の差

アルミと銅は、熱伝導率と融点が大きく異なります。銅の方が熱伝導率が高く、融点もアルミニウムより高いです。
アルミ:熱伝導率 0.53W/m・℃  融点 660.3℃
銅: 熱伝導率 0.94W/m・℃ 融点 1,085℃
このため、銅が適切な溶融状態に達する前に、アルミが過度に加熱される可能性があります。

②金属間化合物が形成される恐れ

アルミと銅を直接溶接すると、強度が低く脆い金属間化合物が形成される可能性があります。これらの化合物は溶接部の機械的特性を低下させる原因となります。

③熱膨張係数の違い

アルミと銅の熱膨張係数も異なります。
このため、溶接中および溶接後の冷却中に材料間で応力が生じやすくなり、亀裂や割れの原因となる可能性があります。

アルミと銅の溶接をご検討中の方へ

アルミと銅の溶接に関しては、同材同士の溶接と比べると難易度が高く
溶接方法や条件を工夫し、最適な手法を見つけ出す必要があります。

弊社では板厚0.08mm〜1mmの微細溶接を得意としております。
サンプル溶接も承っておりますので、ご要望通りの接合が可能か不安な方は一度お気軽にご相談ください。

また、場合によっては
金属材料を合金化し、溶接性を良くする方法が効果的なケースもございます。
お客様のご要望や条件をお聞きした上で、製品開発・設計の段階からサポートさせていただきます。